1膳2円の割り箸と私たちは何を価値交換している?

おはようございます!だいふくろく代表の、ふなちゃです。

本業の造園業の話なんですが、実は最近、デザイナーの方に入社してもらいまして、造園の受注に至るまでの色々と煩雑な業務のお手伝いとプレゼン提案用のパース図と呼ばれる立体図の製作をお願いしています(本ページ最初のイラスト)。

初期アイディアを2人で出せるので思わぬネタが降りてきたり、煩雑になりがちな詳細設計もお任せできるし、何より絵心の乏しい私には、彼女の描くパースが有り難いです(笑)

お金の先にある何かを、割り箸を得る事で獲得している筈です

つくづく、仕事とは誰かの代行業であり、得意な事をして苦手な事を任せる、そうやって社会の効率と品質を保っているのだなと、私の理念を強く感じてしまいます。

ここ1ヶ月取り組んできている天竜材割り箸と遠州綿紬のコラボレーション商品ですが、これも得意と苦手を価値交換しながら社会の効率と品質を保つ活動の一環です。しかも、とりわけ品質にスポットライトを当てている商品になります。

現在、我が国の90%以上のシェアがある中国製の割り箸は

  1. 山林を端からバタバタと伐採していき
  2. 全量を工場に持ち込み
  3. 木目関係なしにダダダッと割りばしに製造して
  4. 防腐処理を施し
  5. 大量に日本に持ち込む

というスタイルを採っていまして、これならば効率がメチャメチャ良いですよね。1膳あたり2円とか3円とか、そのくらいで生産できるということです。

逆に私たちの扱っている割り箸の製造方法ですが

  1. 国内の山林で質の良い材木を生産するために発生する間伐材を倒していき
  2. 間伐材の芯を他で利用した更に外側の部分を工場に持ち込み
  3. 木目を考慮しながら製造し
  4. 製品を1膳づつ全量検査し
  5. 流通に載せる

というスタイルになりますので、どうしたって割高なんですね。中国製の倍以上の価格を見込まないといけません。

このように、効率とコスト(つまり製造に関する作り手の思想)に関して、全く違う両者ですが、少しこのコストの先まで思いを巡らせてみますと、それで一体1膳2円の割り箸と、私たちは何を価値交換しているのかという疑問に突き当たりました。

お金でしょうか?もちろんお金を交換しています。そしてその先、お金の先にある何かを、割り箸を得る事で獲得している筈です。

まずは食べやすさという利便性です。これはもちろんそうなのですが、ほかに何かあるかな?という思い。そして、逆に1膳2円で割り箸を獲得することによって、何かを失っている可能性はあるかな?という疑問・・・・・

得ているものから失っているものを差し引いて、それは自分自身の人生に見合っているのか?

このように「お金と交換して得られるもの」「お金と交換しているのに失うもの」を考える機会を、この天竜杉と遠州綿紬のコラボ商品は与えてくれました。

浜松市北部に広がる山林から採れる天竜材の間伐材を利用することで何を得られるのか?浜松伝統の繊維産業から紡がれる綿の端材から何を得ているのか?逆に失っているものは何かあるのか?得ているものから失っているものを差し引いて、それは自分自身の人生に見合っているのか?そういうことを漠然とではあるのですが、考えてしまいました。

たかが割り箸。

されど割り箸。

あまりに小さな日常ではあるのですが、そういうところから自身のライフ・オブ・クオリティを再考する機会になったなと、私は感じています。